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思わず逃げたくなる時


ヒーリングやセラピーを受ける時に、無意識のうちに緊張していたり、構えてしまっているという話を聞く事がありますが、これはヒーリングやセラピーの現場では一般的な事です。感謝すべき事に、私が12年の間ヒーリングを仕事にしていて、このような事は一度もありません。しかし、私が20代の頃に私が知人のヒプノセラピーの会社の立ち上げを手伝っていた頃には、そんな光景をよく目にしていました。私はセラピストではなく経理を担当していたのですが、受付担当の人がよく「また来なかったよ〜!」と怒っているのを耳にしていて、その都度にセラピストが溜息をつきながら「心に重いものを持っていたり、トラウマが深い人ほど、セッション当日に来なかったりしがちなのよね〜。」と私たちに心の仕組みを説明をしてくれました。


余談ですが、私が手伝っていたのは、立ち上げて間もない会社とはいえ、毎月500万円以上の売り上げが立つようなサロンでしたので、経理処理の件数も多かったこともあり「そういうのが毎月多かったら経理処理が面倒くさくなるから、リスケとか無しでお願いしますね。」と社長である知人に言いました。その頃の私はもう経理処理の事しか考えていなかったので(笑)今改めて考えればですが、この対応は冷たいようでいて、実はヒーリングやセラピーなどの現場では、ここでキッチリと線を引かなくてはならないものなので、妥当だったのかなと思いました。これはお金云々の問題ではなく「心の境界線の問題」なのです。クライアントの態度をこのまま受け入れてしまえば、セラピストとクライアントの間での心理的な境界線が曖昧になります。特に心理セラピーなどの現場ではクライアントの状態に関係なく、境界線をきっちり引くべきという事が言われていますが、ヒーリングやスピリチュアルな事柄においても同じだと思いますし、むしろ後者の方がここに気をつけなくてはならないと思います。


余談が過ぎましたが、ヒーリングやセラピーの内容が、深い部分から癒していくような類のものになる程、無意識に避けたくなる感覚が強まります。さらには、受け手の方が自分では意識出来ないような部分に、向き合いたくないもの(過去の傷やネガティブな感情、ネガティブな記憶や癖やパターンや感覚など)があればある程、その傾向は強まり、ますます避けたくなるような衝動に駆られたりもします。時には、セッション予約日当日に、体調不良を起こしてまでヒーリングやセラピーを受けるのを避けようとするくらいです。このような事は、知人の会社を手伝っていた時にも頻繁に見かけました。ある時クライアントから「頭痛が激しくて、電車を途中下車してしまい、予約時間に間に合わないかもしれない。」という電話がありました。「それじゃあ、今日のセッションはキャンセルだな。」などと私は心の中で思っていたのですが、電話に対応したセラピストである知人は「何とか頑張って来れますか?お待ちしていますから、頑張ってここまで来てくださいね・・・。」と優しい声で返していたので、それを側で聞いていた私は「え?なんで具合悪いのに来させようとする??」と少し驚いてしまいました。そして電話を切り「このクライアントさん、きっと無意識ではセラピーを受けたくないのよ・・・。具合が悪くなるのはそういう反応だからね。でも、意識の上の方には解放されたい気持ちがあるのも本当だから、ここは頑張って来てもらわないとね。」と私や他の事務スタッフ達に説明をしました。


このようなことは世界共通のようで、何人かのアメリカ人のヒーラーにヒーリングテクニックを習った時にも同じような話をいくつか聞かされました。かなり根深いネガティブなパターンや観念などを持っていたクライアントが定期的にヒーリングを受けていて、続けていくうちに癒しと解放が進み、さらにもう一段階深い領域に到達するという時に差し掛かると、それまで何年ものあいだ、毎月セッション予約をして来ていたのに、パタリと予約の連絡が来なくなるという事があり、このような事が他のクライアントでも幾度となくあったという話や、とあるクライアントも癒しの途中で急にセッションをすっぽかし、それ以降は連絡が途絶えてしまったらしいのですが、定かではないと前置きしつつも、これ以上ヒーリングで解放が進むと、国から支給されている特別手当のようなもの(アメリカでは、これがあると生活面で受けられる恩恵が凄いらしいです)を取り上げられてしまうから、ヒーリングを受け続けることで、そのクライアントにとってデメリットが生じてしまうからだろうと言っていました。そのような事って、無さそうに思えて、実は有るものだと思います。


人の心というのは思った以上に複雑で、癒し解放されたいと思っているはずなのに、無意識的にか意識的にかデメリットが生じることを察知していたり、またデメリットなどが無かったとしても、プライドが高いが故に、もう既に手放すべき時に来ていても、なかなか自分の心の中にあるものと向き合う事が出来ずにいる人というのも、思いのほか多くいらっしゃるものです。自分の中にネガティブなものがあるということを認めたくないのかもしれません。それはある意味「逃避」とも言えるようなものですが、言ってしまえばネガティブなものなんて、人間である限りは誰の中にもあるものです。それと向き合うのは少し嫌かもしれませんが、その暁には、波動も高く身も心も軽やかになり、良い意味で、それまで見ていた世界とは全く異なる世界が目の前に現れていくのだと思います。だから私も、より深い癒しのワークを皆さんにお勧め致します。